小さい財布を探すと必ずといって良いほど目にするおしゃれな財布ブランドm+(エムピウ)。
一体だれが、どうしてこんなおしゃれな財布を作り出したの?
わたし(財布のJG)は財布の販売経験があるのですが、エムピウのデザインにとても大きな刺激を受けました。
そして本記事ではエムピウ誕生ストーリーやその商品の真の価値を書きました。
補足ですが、エムピウ設立者の挑戦する勇気は今後の人生の進路について悩んでいる人のヒントにもなるでしょう。
疑問
- m+(エムピウ)ってどんな財布があるの?
- 価格帯は?
- 評判は?
- エムピウってどんなブランドなの?
- ブランドコンセプトは?
- 商品の品質は?
さあ、行ってみましょう!
【写真付き】レザーを活かした唯一無二のオシャレな財布
エムピウのオシャレな財布をまずは3つピックアップしました。
エムピウのレザーを活かしたユニークな世界観から抜け出せなくなるかもしれません。
millefoglie Ⅱ P25 (16,500円)
エムピウの代表作はミッレフォッリエP25です。月間800個の売り上げも記録した人気財布です。
このおしゃれすぎる見た目と使いやすさ、造形美の極致といっても言い過ぎではないでしょう。
ボタン・がま口・ファスナーが多用される中でギボシを使用して財布を締める構造は革命的。天才のセンスです。
ちなみにミッレフォッリエ はミルフィーユの意味です。
straccio goat Ⅱ (5,500円)
エムピウで個人的に最もすきな財布がストラッチョ(5,500円)。
三つ折り財布で極めてシンプルに仕上げられています。縫製箇所もコバ処理も最低限。
天然もののレザーをダイレクトに堪能できるコンパクト財布です。(レビュー|ストラッチョ・ゴート)
piastra (11,000円)
コインとカードが重ならないタイプのコンパクト財布ピアストラ(11,000円)です。
後ろポケットに入れることを想定してつくられたため、面積はやや大きめ。
しかし、その分カードは5~6枚程度入ります。
シンプルに重きを置きながら、ユーザー目線の工夫の数々が魅力的な財布です。(解説記事)
ご覧いただいたように、エムピウの財布は誰もが「え!?なにこれ!?」と反応を強制させられます。
アイデアとレザーの色合いを融合させた究極のオシャレ財布といえるでしょう。
m+(エムピウ)|公式オンラインショップ|wallet&purse
【価格】コンパクト財布は5,500~26,400円
エムピウの財布で最も値段が高い商品は長財布のLoYen(ロ・イエン, 36,300円)
コンパクト財布に限っていえば、値段は5,500~26,400円。
ちなみにほとんどの商品は16,500円以内で購入でき、非常にリーズナブルな印象です。
【評判】デザインと機能性に定評の嵐
アマゾン、楽天、そしてツイッターを見るとたくさんの人がエムピウの財布に熱狂していることがわかります。
とくに他社では見られない唯一無二のデザインに満足している人が多いようです。
ネットで購入した人の中には、使いやすい反面、ミッレフォッリエP25やピアストラなどの一部モデルが想像よりも大きいと感じた人もいました。
確かに、エムピウの商品は数ミリ単位の小ささを追求するより、あくまでユーザー目線の使い勝手を優先させている印象です。
財布を使い込むことでレザーの経年変化を楽しみ、機能性のあるオシャレな財布と過ごしたいという方にはぴったりの商品でしょう。
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【レビュー】エムピウ|ストラッチョゴート【柔らかい革を活かしたミニ財布】
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m+(エムピウ)とは
では、これからこのオシャレな財布が誰によって作り出されたか解説していきます。
まずは、m+(エムピウ)というブランドを要約しました。
m+(エムピウ)とは
2001年に一級建築士の資格を持つ村上雄一郎(むらかみゆういちそう)氏がイタリア修行後に立ち上げたレザーブランド。
レザーの味わいと高い機能性の財布をオリジナリティ溢れるデザインで提案しています。
あるときエムピウの財布(ミッレフォッリエ)が新聞のコラムに掲載され、爆発的人気がでて今に至ります。
建築家時代
レザーブランドm+(エムピウ)の設立者は村上雄一郎氏です。
1969年に岩手県で生まれ、千葉県で育ちます。
早稲田大学建築学部卒業後は建築士として設計事務所に5年間勤務。なんと事務所在籍中に一級建築士の免許も取得しています。
ここまで読むと一流大学卒・手に職・難関資格と20代で全てを手に入れているようにすら見えます・・・(うらやましいっす!)
仕事に疑問を抱く日々・・・
はたから見れば、順風満帆。しかし、村上氏はしだいに建築士として違和感を抱きはじめたそうです。
建築士の仕事とは、お客さんの人生一回きりの一番大きな商品を設計する仕事。
試作することもないまま経験の浅い自分が任されてしまって良いのかとプレッシャーを感じるようになります。
また、そもそも物作りが好きで選んだ仕事のはずが、建築士は現場に携われないまま施工作業は進んでいきます。
追い討ちをかけるように、徹夜が続く日々で体も壊しそうに・・・
きっかけは趣味から
そんなとき、趣味で作ったレザークラフトを設計事務所の先輩に褒められ、皮革業界へ進むことを考えはじめます。
「革製品であれば試作して十分に責任がとれる」と感じられたことも大きかったそうです。
それから修行のため、妻子と離れてイタリアの専門学校にアジア人枠として進学することを決心。
決意
ここまでだけでもすごい勇気と行動力がある方だと分かります。
妻子を置いて、仕事をやめ、よく分からない異国の土地で再挑戦。
わたしの脳の処理能力ではちょっと理解できません。
絶対さみしいじゃん!凄すぎます。
イタリア修行とエムピウ設立
イタリアでの最初の半年間は革のカバン屋さんで見習いを行い、その後の半年間は専門学校に通います。
そして卒業後はそのままイタリアに残り、一年間ベネトングループの子会社でサンプル作りの経験も積みます。
帰国後は設計事務所に戻って仕事をしつつ、外注バッグデザイナーとし働き、さらに同時進行で自分の財布も考えるようになります。
苦労のスタート
しかしながら、最初は全く売れなかったらしいです。
こんなに頑張っても結果が出ない(泣) 私ならここで心が絶対折れます・・・
しかし、村上氏は活路をみつけます。
デザイン関連で起業を目指す人を支援する台東区の"デザイナーズビレッジ”という制度に1期制として入るのです。
この頃からエムピウの一本で活動しはじめます。
財布やキーケースをデパートの催事場に置かせてもらいながら売り込みをかける日々が続いたそうです。
チャンスを引き寄せる
すると頑張りの末、転機が訪れます。
なんとある新聞記者の女性がエムピウの財布ミッレフォッリエを購入し、新聞のコラムに掲載してくれたのです。
それからは全国のお客さんから問い合わせが殺到。
「こんな色はあるのか?」、「パクリ商品が出てますよ!」など、連絡が途絶えなかったそうです。
ようやく軌道にのり、蔵前に事務所兼お店を構えます。
ブランド名「m+」はモノづくりへの敬意を表現
ブランド名はm+と書いて"エムピウ"と読みます。非常にオシャレな響きです。
m+の「m」(エム)は創設者の村上雄一郎氏のイニシャル。
そして「+」(ピウ)はイタリア語で「より(もっと)〜」を意味します。これには二つの意味が含まれています。
一つ目ですが、商品を考えるのは村上氏自身であるものの、たくさんのプロフェッショナルによってエムピウのアイテムが出来上がっているというモノづくりへの敬意を表しているそうです。
また二つ目ですが、エムピウのアイテムはレザーのエイジングを楽しむことも醍醐味。
つまりお客さんの手に渡ってはじめてアイテムは完成します。
そのたくさんのお客さんへの敬意も表しているわけです。
なんとも思いやりが詰まった粋な意味ですね。ますますビッグファンになってしまいます。
ブランドコンセプトはレザーと機能性の融合
村上氏の商品づくりのこだわり、それは「使い込むほどに味が出るレザー選び」、そして「道具としての新しさの追求」です。
まず、革は生き物です。
使い手といっしょに呼吸し、使い手に合わせてエイジングします。
そのレザーならではの魅力をお客さんに楽しんでほしいと村上氏は考えています。
意味があって革は選ばれる
エムピウの多くの商品にイタリアの「タンニンなめし」の革が使用されている理由が見えてきましたね。
また、レザーへの思いの強さから、革の特性までデザインに組み入れるのが村上流です。
たとえば「ストラッチョ」はお札の滑りをよくするためにゴートレザーを使用しています。
さらに名刺入れには引き締まるハリのあるブッテーロレザーをあえて選んでいます。
道具として追求
なぜここまでこだわるのでしょうか?
それは村上氏がすでにあるものを作るのではなく、新しい道具の提案にこそ情熱を持っているからです。
まるで皮革業界へ一石を投じる革命者のようです。
村上氏が新しい道具としての提案に情熱をかける工夫は財布から読み取れます。
例えば、エムピウの商品はおしゃれであるにも関わらず、カード入れに余裕があり、絶妙な使い勝手が体験できます。
カードポケットサイズの微妙な調整、財布の折れ曲がる箇所の角度や大きさ、これらは試作段階で何度も調整されているのです。
加えて、作るときは工程を極限までシンプルにするそうです。
無理な作りは壊れやすくなります。シンプルにすることで丈夫になるのです。
こだわり抜かれたブランド
レザー、使いやすさ、丈夫さ、これら全てを追求した製品がエムピウにはあるのです。
補足ですが、エムピウでは追求した結果、納得できた製品しか店頭には並びません。ゆえに商品の種類は多くありません。
こういった本物の商品の提案こそエムピウなのです。
そう、村上氏が建築士としてはできなかった試作の上で「責任を取る」商品づくりを今わたしたちは目にしているのでしょう。
【店舗】蔵前に実店舗
エムピウの実店舗が蔵前にあります。都営浅草線蔵前駅から徒歩数分の距離です。
ポイント
蔵前店舗には格安のアウトレット商品や試験商品が置いてある場合があります!
近くを通りかかったときは要チェックですね!
わたしも行ってみましたが、とにかくおしゃんてぃ。デートにもオススメでしょう!
もちろん、公式オンラインショップもあります!
【まとめ】粋でセンスあふれる財布
人生において進路に悩んでいる人は多いのではないでしょうか?
この仕事は自分に向いているのか?
自分のやりたいことは本当にそこまでやりたいことなのか?
悩んで苦しい日々。
村上氏の挑戦とセンス
村上氏はエムピウという商品を通して挑戦することの大切さを伝えているような気がします。
飛び抜けたデザインセンスや資格をもちながら建築士として自分の能力を客観視できる冷静さ。
そのセンスを革製品にに持ち込む決意。(家族を抱えながら、実績を捨てて異業界へ転身する勇気)
だからこその素晴らしい商品の数々が誕生したのだと感じました。
譲れないメッセージ
商品に溢れるユーザーファーストの精神。
さらに使用する素材はユーザーの個性を活かす厳選レザー。
落ち着いた割り切りがありながら、勝負どころで徹底している印象を受けます。
値段もお手頃でここまでセンスあるブランドは他にあるでしょうか?
惹きつける魅力がエムピウにはある
ちなみに村上氏はブランドの拡大も継承も考えていない、村上氏の一代限りのブランドとなりそうです。
去り際も潔く。どこまでも粋で人を惹きつける人柄です。
ビジネス拡大のため、賞獲得や宣伝も多用しません。ただ自分が良いと思うものを追求して販売する。
"ものづくりが好き"とはこういう方のことを言うのかもしれません。