革小物ブランドのCypris(キプリス)
財布を探すときに見かけるハイグレード革小物ブランドです。
しかし、このブランドのことを詳しく知っている人は意外にも少ないのではないでしょうか?
わたし(財布のJG)は以前、財布の販売経験があり、知り合いの革小物メーカーさんからキプリスについて伺ったことがあります。
そこで、本記事でキプリスについてまとめました。
疑問
- Cypris(キプリス)ってどんな財布があるの?
- どんな価格帯?
- ダサいって見かけるけど、実際の評判は?
- そもそもキプリスとはどんなブランドなの?
- 商品の品質は?
では、さっそく回答です↓
ビジネスマン向けの落ち着いたフォーマルなラインアップを幅広く揃えています
「とにかくどんな財布があるか教えて!」という方に、
キプリスの雰囲気を味わってもらうため、すばらしい財布をピックアップしました。
ブランド設立当初からあるキプリスの代表的なレザーのレーニアカーフを使用した財布シリーズ。
柔らかくてきめ細かな肌ざわりがレーニアカーフの特徴。生後3ヶ月ぐらいの仔牛であることから希少で高級素材として知られています。
熟練の職人さんでなければあやつれない革である反面、出来上がった製品は柔らかい手触りで人気を誇ります。
キプリス|レーニアカーフコンパクトなサイズで仕上げたラウンドファスナー財布。
英国製ブライドルレザーを使用しており、大人の気品ある見栄え(レビュー記事)
キプリス|コンパクトオールイン 18,700円お札を折らずにきれに保持できるコンパクト財布。
極薄の構造でジャケットにピッタリです(レビュー記事)
キプリス|マネーフラップ(L) 17,600円長野の木曽漆器(きそしっき)の塗師が手塗りした美しいグラデーションの革小物です。
キプリス|漆 -URUSHI-見てるだけでテンションも上がってこないでしょうか?
印象としてキプリスは上質でフォーマルな財布を幅広く揃えています。
とくに30代以上の男性にオススメです。(もちろん、女性用のラインアップもあります)
日本のクラフトマンシップが培ってきた革製品ブランド キプリス【価格】コンパクト財布はほどんど22,000円以下で購入可能
キプリスの上質な財布をみると「どうせ高いんでしょ?」と思う方も多いのではないでしょうか。
でも、大丈夫です!
というのもコンパクト財布のほとんどは22,000円以下で購入可能だからです。
上質な財布としてこれ以上にないすばらしい価格でしょう。
ただしクロコダイルやコードバンといった高級レザーを使用した上位モデルになると100,000円を超えてきます。
貯金やボーナスと要相談の時間です。
「こだわり」を仕立てるブランド キプリス【評判】「一流」のキャリアパーソンから太鼓判
ここまできたら
「良い財布が良い価格で買えることはわかったけど、じゃあなんで知名度が低いの?」
「そもそも、評判はどうなの?」
と思う方も出てくるのではないでしょうか。
ごもっともな感想です。
名より実を取るブランディング
まず知名度に関してですが、キプリスは海外のビッグブランドのように大きな広告を打ちません。
販売に関しても自社店舗も持たず、デパードやオンラインストアで商品を販売しています。
デパートで財布を買う層はほとんどの人が目にしているはずですが、そうでない人にはブランドの存在が伝わりにくいでしょう。
ビッグブランドのように大きな広告を打たない理由として、キプリスのブランド戦略から説明できます。
広告費に費やすより「良い製品を適切な価格でお客様に使用していただく」スタンスをとっているのです。
つまり「名より実を取る」人向けのブランドポジショニングでしょう。
フォーマルなデザインが中心
次に評判ですが、ネットではキプリスは「ダサい」としばしば言われます。
これは比較的若い人の口コミで多いでしょう。
キプリスは落ち着いたフォーマルなデザインから、主に30代~50代をターゲットとしています。
そのため、若い層からするとトレンディーさに欠けて見えるのでしょう。
ただし30代以降の評判に耳を傾ければ好評な意見が多いことに気がつきます。
超一流から太鼓判
実際、各業界のトップエリートが太鼓判を押しています。
例えば、超高級ホテル「リッツ・カールトン」の支社長として日本におけるブランディング活動に多大な功績を残した高野登(たかの のぼる)氏が愛用しています。
キプリスの革の手触りの良さがお気に入りだと話しています。
また、女医でありながらJAXA宇宙飛行士選抜試験において女性唯一のファイナリストにもなり宇宙関連のニュースの際、テレビの解説者としても見かける江澤佐知子(えざわ さちこ)氏も愛用しています。
極めつけの評価としてキプリスブランドの受賞功績があります。
全国有力百貨店バイヤーの選定により、優良ブランドを表彰する「百貨店バイヤーズ賞メンズ部門」においてキプリスは2003~2019年まで17年連続受賞しています。
このように、「一流」のキャリアを築いた人にとってキプリスは絶対の信頼がおかれているブランドであることがお分かり頂けたと思います。
技術で有名
補足ですが、わたしの知り合いの財布メーカーさんも、「キプリスの財布作りは言うまでもなくレベルが高い」と話してました。
なので業界でも技術の高さが有名なのは間違いありません。
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【レビュー|コスパ最強】キプリス|ラウンドファスナーのコンパクト財布【英国製ブライドルレザー】
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【レビュー】キプリスの極薄コンパクト財布|マネーフラップL
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Cypris(キプリス)とは
うむ、そろそろ「キプリスいいじゃん!もっと教えろ!」って思っていただけた方もいるのではないでしょうか?
そのために本記事を準備しました!
まずキプリスを簡単に説明すると、
Cypris(キプリス)とは
実力派革製品メーカー、株式会社石川が立役者となって設立された高級革小物ブランド。
自社工房にエリート職人集団をかかえており、質の高い多様なフォーマルスタイルの財布を揃えています。
基本と伝統に忠実なものづくりが売りで、商品は職人さんの手で「巧く、早く、綺麗」に製作されます。
商品のレベルの高さは業界の中でも有名。
自社工房に職人を抱える高級革製品ブランド
そもそもキプリスは1995年、東京都墨田区に設立された株式会社モルフォの革小物ブランドです。
創業当初から自社工房とハイレベルな職人を揃えており、取引先も大手デパートばかりです。
次に気になるのが商品が作られるキプリス工房。
広くて清潔な工房には革小物の技術認定試験の一級合格者を9人(全国で20人も満たない)も抱えているから驚きます。
日本古来の技と基本に忠実な技術を駆使し、職人さんたちがスピーディに商品をつくっていきます。
キプリスの成り立ち
「なぜ老舗と比べると若いブランドのキプリスが職人をそろえて百貨店を相手に商売をしているんだ!?」と気になった人も多いのではないでしょうか?
これは私の長年の疑問でもありました。
実はキプリスの誕生の背景には業界で有名な革小物メーカーの株式会社石川が起因しています。
この株式会社石川は1968年に設立されており、以来数々の賞を受賞し、業界では権威を誇ります。
この様な設立背景からキプリスの技術者はエリート揃いです。
トップ・マイスター
そして技術者集団を束ねるトップ・マイスターの存在がこの道一筋50年以上のキャリアをもつ結進(ゆい すすむ)氏です。
20年以上の経験、格段にレベルの高い技術を有し、かつそれを後世へと広く伝承する強い意志・能力・人格のある職人に表彰される「MFUマイスター」賞も受賞している凄腕中の凄腕です。
この人物がキプリスを管理しているからこそ、百貨店は絶対の信頼を置けるのでしょう。
トップマイスターの結進氏が製品の最初のサンプルの多くを手がけることが多く、ブランドの代表的なレザーの一つであるレーニアカーフもお手の物です。
薄く、柔らかく、そして傷がつきやすいこのレザーを扱うには熟練の技が不可欠です。
結進氏は繊細なレーニアカーフを長年にわたって扱い続けていることから、手はゴツゴツとしないやさしいものへと変化していったそうです。
そういえば・・・
余談ですが、私の祖父も機械系エンジニアだったのですが、その手は非常にゴツいものでした。
道を極める者というのは身体も変わるぐらいまでとことん打ち込むことなのでしょう。
身体が変わるまで頑張って一人前だというメッセージのような気がしてなりません。
キプリスのプロスピリット
ところで、一般的に職人さんといえば一点ものを時間をかけて丁寧に作るというイメージを持つ人も多いと思います。
これに対して結進氏の意見は明快。
「求められているものを的確に、巧く早く綺麗に仕上げることが職人に求められている」
なんとも「真」のプロフェッショナルの意見の様な気がしてなりません。
資本主義において職人の仕事は芸術や趣味ではない。
言われたことを言われた通り、時間内にこなしていく。そこに思考の伴った作業を来る日も来る日も繰り返していくことこそプロフェッショナルなのです。
想像するだけで気が狂いそうになるほど、地味で、難しくて、果てしなく遠い道のりです。
こう言ったことができてしまうプロ集団だからこそ、高級デパートで目の肥えたお客さんを相手に商売ができるのでしょう。
見えないところまで職人技を使った配慮にみんな惚れ込んでしまうのです。
品質を維持するために盤石の体制
そしてキプリス はこの品質を維持するため、職人の育成にも力を入れているそうです。
もともとキプリスの革小物作りの工程数は100~250にも及びます。技術者の育成のため、担当する工程はローテーションでまわしていくそうです。
全ての技術者がいずれは一人でイチから製品を作り上げることができるようになり、独立しても食べていけるような育成をしています。
キプリスの品質はこれまでも、そしてこれからも盤石のようです。
※ただし、株式会社モルフォ・キプリスの商品の全てが日本製ではありませんので注意が必要です。購入する際に生産国を確認することをオススメします!
基本と伝統に忠実で技法が卓越しています
高品質なことは分かったが、「具体的にどこがすごいの?」と疑問を抱く人もいるのではないでしょうか。
財布をデザインしはじめた頃の私もそうでした。正直、当時は何がすごいのかよくわかりませんでした。
しかし、キプリスに関しては明確な技法が紹介されています。(一部の商品で技法を確認できます)
その一部が以下の通りです。
菊寄せ
丸みのあるコーナーで生じる革のたるみを放射状に処理する技法です。明確に技術の差が出ます。「キザミ」ともよばれています。
縫い返し
縫製を隠す美しい仕上げ技法です。緻密で正確な技術が必要です。
忍び抜い
これもまた縫製を隠す技法。初見では、「え!?これどこに縫製箇所あるの!?」と驚きます。魔法の様な仕上げです。
風琴マチ(ふうきんまち)
一般的に多様される2つ折りのマチが「ササマチ」です。ポケットに対してマチは内側に折りたたまれる構造。
一方、
風琴マチはポケットに対してマチが外側に折りたたまれる構造。お札や名刺などがマチに引っかかる事なく収納できます。
ハニーセル
株式会社モルフォが意匠権を持つカード入れ構造です。(登録第1152526号)一目でカードが判別でき、取り出しやすい独自構造です。
わたしが財布入れのカードポケットのデザインを考えていたとき、このハニーセル構造を知って驚愕したことを昨日のことのように思い出せます。
はっきり言って天賦の才の発想です。基本と伝統に忠実でありながら、柔軟な発想と挑戦をしていくのがキプリスであることをこのギミックが象徴しています。
ポイント
キプリスの財布は単純に機能すれば良いという発想がありません。
伝統と革新的な技法を使用し、「美しさ」や「使いやすさ」といった本物の付加価値が散りばめられています。
ブランド名「Cypris」は美しい蝶が由来
ところで、「キプリス」
と、ここまでブランド名を何度も連呼してきましたが、実はブランド名の意味を知ることでブランドコンセプトも明かされます。
まず、キプリスブランドを設立した株式会社モルフォの由来は、中南米に生息する世界で最も美しいブルーに輝く蝶「モルフォ」からきています。
そしてブランド「キプリス 」はモルフォのなかでもひときわ美しい「キプリス ・モルフォ」蝶が由来となっています。
「キプリス」蝶は自然界に孤高を保ち、美の頂点を極めます。
「モルフォ」を会社名に、そして「キプリス」をブランド名としてつけた理由は、「一生愛せる、本質的価値のあるものづくり」がコンセプトだからです。
なんと、ここまで知ってしまったらキプリスの財布の美しさに惑わされるしかないのかもしれません。
【店舗とお得情報】全国の百貨店またはネットショップ
ここまで読んでいただいた方の中には、「早速キプリスの財布を買いに行きたい」と支度している人もいらっしゃるかもしれません。
そんな方のために店舗情報です!
キプリスは自社店舗がなく、主要な売り場は百貨店になります(ただし売り場ごとに商品ラインアップは異なります)
ちなみに公式オンラインショップには全ての商品が並んでおり、無料でラッピングやショップ袋もつけることができます。オススメです!↓
日本のクラフトマンシップが培ってきた革製品ブランド キプリスそして何より、キプリスのオンラインショップで会員登録して商品を購入&レビュー投稿した方にはオリジナルのレザーケアクリームも無料でもらえるからお得です。
【まとめ】仕事は地味な細部こそ死力
コンパクト財布が流行する中、そのラインアップを揃えることは大変です。
有名な革小物ブランドはほとんど出遅れた印象。
そんな中、キプリスはコンパクト財布に関して豊富なラインアップをそろえています。
気遣いも嬉しいポイント
それにとどまらず、コンパクト財布でありながら細部まで配慮された仕上がりがキプリスの商品には見られます。
新興のブランドには見られない、はっきりと差別化されているポイントでしょう。
合理性が最優先される時代に、気遣いのあるブランドなのです。
例えを挙げるなら、私たちが日常で仕事をする中、同僚のちょっとした工夫を凝らした作業を目の当たりにします。
その心遣いにどこか感動を覚える経験を誰しも体験したことがあるでしょう。
それが自然と数値には現れない自分のエネルギーにもなります。
そんな気遣いがキプリスの商品には見られます。
キプリスのアイテムを持つ喜び
合理性が優先される時代で、気遣いある丁寧な仕上げの商品は、まさにプレジャー。
明日を生きる活力になるでしょう。
革小物業界では誰もが知る突出した技術で、キプリスは「物」としての存在以上の喜びを生活に提供しているのかもしれません。
日本のクラフトマンシップが培ってきた革製品ブランド キプリス