「PORTER(ポーター)」と言えば、ジャパンブランドのカバンメーカーとして、最も知名度のあるブランドの一つでしょう。
(実は素晴らしい財布が多いことも特徴の一つ)
ですが、そんな「PORTER」が誕生した背景を知る人は意外にも少ない気がします。
疑問
- PORTER(ポーター)ってどんな財布があるの?
- どんな価格帯?
- 評判は?
- そもそもPORTERってどんなブランドなの?
- 店舗はどこにあるの?
そこで、PORTERのビッグファンのわたし(財布のJG)が調べてまとめました。
では、さっそく回答です↓
オールラウンドの財布バリエーション
PORTER(ポーター)はもともとカバンメーカーですが、財布も200弱と大量のラインアップがあります。
その中、勝手ながらオススメの財布を4つピックアップしました。
"PORTERらしさ"が存分に伝わってくるかと思います。
PORTER BILL CORDVAN(184-02271) 31,900円
まずは最高級の国産コードバンを使用したブランド渾身のハイエンドシリーズ「BILL CORDVAN」。
ご覧の様に、この美しいフォルムと上質な光沢感を見れば説明はいりません。
内側にはイタリア産のヌメ革を使用しており、細部まで隙がない作り。
とにかく素敵で、洗練されたデザインで購買意欲を駆り立てにきます。(レビュー|PORTER BILL CORDVAN)
PORTER HYBRID(737-17828) 7,920円
次は、先進素材を積極的に使用していくポーターらしい「PORTER HYBRID」ラインのアイテム。
ヨットの帆のシェア世界一の「ディメンションポリアント社」、そしてコーデュラで知られる「インビスタ社」の協力で開発したオリジナル生地「X-C1000」を使用。
強度、軽さ、防水性、三拍子すべてが揃うハイテク素材の財布で、ポーターの技術力を全面に押し出してます。
アウトドアにはこれ一択でしょう!(レビュー|PORTER HYBRID)
PORTER TANNER(147-02281) 40,700円
当然ながら、良質なレザーで長く愛用できるアイテムにも隙がありません。
たとえば、米国の老舗タンナー「ホーウィン社」のクロムエクセルレザーを使用したPORTER TANNER」。
肉厚のレザーで重厚感ある二つ折り財布に仕上がったポーター流の丈夫な逸品。
梱包にはオシャレな木箱が使われており、プレゼントの演出にも完ぺきです。
PORTER CAPSULE(555-06441) 7,480円
ナイロン繊維が無骨なカッコよさを演出している人気の「PORTER CAPSULE」シリーズ。
こういったナイロン感こそ"PORTERらしい"と感じる方も多いかもしれません。
4色のカラーラインナップ、そして紛失防止用のキーホルダーが付いてくるので、ミリタリーテイストにもグッドなコスパ。
誰もが手に取りやすい機能的な財布もポーターですよね。
PORTER(ポーター)の数ある商品のごく一部を紹介しただけですが、どれもメッセージが明確でハイレベル。
レザーから化学繊維まで、多様な素材を使用し、幅広い世代に向けて製品をつくっているのは世界広しといえどもポーターだけかもしれません。
まさに飛び抜けた企画力を持つオールラウンドのブランドですね。
【価格】財布は4,400~53,900円
PORTER(ポーター)はそのラインアップの多さから、価格帯もとにかく広いイメージ。
財布に関しては200弱のモデルを設けており、価格は4,400~53,900円です。
全体の傾向として、素材に化学繊維(ポリエステルやナイロン)を使用した財布が15,000円以下に落ち着いてるイメージで、かなりお手頃。
そしてレザー素材を使用した財布が10,000円超え。
レザーの価値に応じて財布の値段も変動し、
たとえば、「PORTER BILL CORDVAN(ビルコードバン)」や「PORTER TANNER(タナー)」といった高級レザーを使用した上位モデルは、50,000円を超えます。
ブランドの印象として、お手頃の様な気もするし、ハイエンドも揃う不思議さ。
この"イイものなら何でも"感がPORTERの正体かもしれませんね。
【評判】著名人からもお墨付き
PORTER(ポーター)ほどの知名度があると、数々の著名人が愛用していることに気がつきます。
例えば、タレントのリリー・フランキー氏も「PORTER」の愛用者。PORTERの製品は、年齢や性別の壁を超えて好かれることから、ギフトとしても重宝しているそうです。
また、ファッションデザイナーの皆川明氏も「PORTER」を愛用。使い手の必要から生まれた機能美をブランドとして昇華していることがお気に入りポイントのようです。
ちなみに、わたしもポーターの財布を使用しています!↓
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PORTER(ポーター)とは
素晴らしいアイテムを多く揃え、著名人にも人気なPORTER(ポーター)。
ここでは、そんなPORTERの成り立ちについてまとめました。
まずは急いでいる方へ要約です↓
PORTER(ポーター)とは
幅広い層に向け、多様な製品を展開するオールラウンドな鞄ブランド。東南アジアを中心に、海外展開も。
自社デザイナーが企画を立て、多数の国内工房と連携することで、幅広いラインアップを実現。
同時に、日本の職人さんや技術を守ってきました。
現社長は世襲4代目の吉田幸裕(よしだ ゆきひろ)氏。親族経営にこだわり、創業者「吉田吉蔵(よしだ きちぞう)」氏の「一針入魂」魂を受け継いできたブランドです。
ブランド設立者、吉田吉蔵氏の「一針入魂」の日々
それでは、ここからPORTER(ポーター)の創設者「吉田吉蔵(よしだ きちぞう)」氏のお話です↓
小学校卒業と同時に就職
1906年(明治時代)、神奈川県寒川町(さむかわまち)で吉田吉蔵氏は誕生します。
昔の寒川町は畑や水田が多い場所で、農家の8人兄弟の次男でした。
そしてわずか12歳でいきなり仕事に就きます。
それが上野の老舗カバン工房への弟子入りでした。
明治時代の中学校
現代でこそ義務教育の中学校ですが、たった100年ほど前の明治時代では、裕福な家庭の子供のみが進学できる高等教育でした。
吉田吉蔵氏のように12歳から働いていた当時の人たちに感服します。
食べるため、そして手に職をつけるため、鞄職人としてキャリアをスタートさせたことが分かります。
選択のない時代
特に明治の出生数の急増により、農村部の人口が過剰となっていたようです。
家計補助のため、次男として出稼ぎに行くことになったのだと想像できます。
29歳で独立
最初から信じられない滑り出しでしたが、吉田氏は修行を重ねます。
その末、「新しいものを作りたい、自分の力を試したい」という思いから、1935年の29歳で独立し、神田須田町に吉田鞄製作所を設立します。
まさに「PORTER」の原点。
17年修行してもまだ29歳
若くから一つのことを極め、若いうちに起業できるのは良い時代にも見えますね!
(意見がブレブレで申し訳ありません(汗))
出兵
とはいえ、ここでもいばらの道が続いたようです。そう、1941年、太平洋戦争がはじまったのです。
当然ながら吉田氏も戦場に出兵していますが、なんと捕虜として敵軍につかまっていた時期もあったようです。
エピソードの一つとして、吉田氏は捕虜となりながらも、手縫い技術を活かしてサーベルや水筒ケースの修理を買って出た話があります。
そして作業場のご飯を必要以上に要求し、仲間に食べさせていました。
苦労の連続
ここまでの吉田氏の人生ですが、訳がわからないぐらい苦労の連続です・・・
12歳で就職、17年の下積み、29歳で起業、30代で戦争捕虜と、めちゃくちゃ苦労の連続。
そんな中でも他者を思う吉田氏の人柄が見えてくるのが凄すぎます。
というか、ちょっとのことで心が折れては駄目なことを改めて痛感します。
ちなみに吉田氏は戦場に向かう際、カバンの材料を高架下のレンガ倉庫に保管してから出向いてます。
東京は空襲で焼け野原になりましたが、幸運にもそのレンガ倉庫だけは無事。
戦後は保管してあった材料でリュックサックやショルダーバッグを作り、リヤカーに積んで銀座の市場で販売しました。
作りの評判が良く、飛ぶ様に売れたみたいです!
ヒットアイテムの誕生
そしてここにきて、ようやくターニングポイントの到来。
職人でありながら、アイデアマンでもあった吉田氏は、1953年にヒットアイテムを生み出しました。
それがファスナーの開閉(YKKと協力して作成)でマチ幅の調節が可能な「エレガントバッグ」でした↓
厚みを自在に変更できたこのカバンは、そのころ急拡大していた集合住宅の狭い室内でもコンパクトに収納できました。
製品の機能性を時代のライフスタイルに合わせた大ヒット。
吉田氏も大きな手応えをつかんだみたいです。
時代のトレンドに合わせたアイテムの展開は、現代のポーターに通じるところがありますね!
長い道のりの末、吉田鞄製作所がようやく勢いに乗りはじめた感じがします!
PORTER設立
事業が勢いづいたのは良かったものの、どうやら一つ問題を抱えてました。
「エレガントバッグ」を含め、ヒット商品で評判こそ上げたものの、メーカーの認知度が上がっていなかったのです。
そこで対策として、1962年、自社オリジナルブランド「PORTER(ポーター)」を発表しました。
ブランド名の意味
「PORTER」という言葉ですが、ホテルや鉄道駅で客の荷物を当人に変わって運搬する職業を指します。
つまり「PORTER」は職業がら、常にバッグに触れ、その良さを熟知しており、それがブランド名の由来になったわけですね。
シリーズ拡大
ブランド「PORTER(ポーター)」の設立後、吉田氏の経営手腕はますます発揮されます。
その一つがデザイナーの育成。
吉田氏自身が商品企画に並々ならぬ熱意をもっていたことも起因し、社員を美術大学に通わせました。
地道な苦労が実り、「BARON(バロン)」シリーズ(1968年)、「TANKER(タンカー)」シリーズ(1983年)など、ヒット商品が次々と誕生していきます。
そして世界へ
ラインアップを揃えながら着実に知名度も上昇。
1981年には日本ブランド史上初、世界的著名デザイナー集団で組織されるNYデザイナーズコレクティブにPORTERが選出されました。
ようやくブランドとして確固たる地位を築き上げた瞬間です。
補足
補足ですが、この頃の国内鞄メーカーの多くは、海外ブランドの下請けとして商品を製作してました。
海外勢が市場を埋め尽くす中、当時からメーカーとしてメッセージを伝えていく戦略は大変だったに違いありません。
おそらく、苦労の連続を乗り越えてこられた吉田氏だったからこそ出来た挑戦だったのでしょう。
MADE IN JAPAN へのこだわり
時代の流れで、1980年代後半から、日本のものづくりの拠点が安価な海外へうつっていきます。
しかし、ポーターは徹底して国内生産にこだわったそうです。
これは、吉田氏が「国内の職人さんを守りたい」という強い思いから来てました。
日本製へのこだわり
吉田氏は自分自身が職人出身だったからこそ、他社には無い「Made in Japan」への意地があったのではないでしょうか。
今のポーターを見てもわかりますが、結果的にこの判断が品質の維持とブランディングに大きく貢献しています。
まさに流行に乗った波に乗る利益よりも、商品にかける思いが長期的利益につながる好例ですね。
PORTERのレガシー
そんな吉田氏ですが、最終的に功績が高く評価され、国から勲五等双光旭日章(くんごとうそうこうきょくじつしょう)(1976年)、そしてミモザ賞(1994年)を受賞します。
勲五等双光旭日章(現名称:旭日双光賞(きょくじつそうこうしょう))
企業経営者の場合、国際的に高い評価を得た企業や技術がとくに優秀な企業の最高責任者が対象で、国や公共に対し功労のある者に授与される章。
ミモザ賞受賞
ファッション業界の功労者を讃える賞。
こうやって吉田氏の生涯を振り返ってみると、12歳から働きはじめ、若くして独立、戦争を生き残り、事業を軌道にのせ、ヒットアイテムを生み出し、デザイナーの育成に取り組み、
そして苦労の連続の末、ようやくブランド「PORTER」を確立させていることが伺えました。
もちろん、これ以外にもたくさんの苦労があったことを想像すると、PORTERのアイテムが如何に崇高なレガシーを秘めているかが分かります。
以上、ここまでPORTERについてまとめると、「壮絶な人生を生き抜いた吉田吉蔵氏のアイテムが今すぐ欲しい!」という方も出てきたかと思います!
なので店舗情報をまとめました↓
【店舗】実店舗/百貨店/ネットショップ
ポーターの直営店舗は東京と大阪を中心に分布しています。 詳しくはこちらです↓
また、全国の百貨店やセレクトショップにも商品が置いてます。
なかなか足を運ぶ時間が作れないという方には、公式オンラインショップがオススメです!
【まとめ】魂が受け継がれるアイテム
本記事では、日本を代表するブランド「PORTER(ポーター)」の財布をいくつか見てみました。
また、創業者の吉田吉蔵(よしだ きちぞう)氏のレガシーを通し、改めて唯一無二のジャパンブランドであることを確認。
そんなPORTERは、今でも親族経営にこだわっています。2代目社長は吉田滋氏(創業者長男)、3代目社長は吉田輝幸氏(創業者次男)、そして現社長が世襲4代目の吉田幸裕氏(吉田輝幸氏の息子)。
どんな逆境でも、「一針入魂」を貫いた吉田氏の魂が受け継がれてるからこそ、PORTERの商品は特別なのでしょう。