レザー好きであれば必ず目にするブランド、それがHERZ(ヘルツ)。
オーソドックスなタンニンなめしレザーから製作される製品はどこか懐かしさすら覚えます。
わたし(財布のJG)も財布の販売経験があるのですが、ヘルツには常に魅了されてきました。
そこで本記事ではヘルツの歴史とその財布をご紹介します。
疑問
- ヘルツってどんな財布があるの?
- お値段は?
- HERZの口コミは?
- そもそもHERZの成り立ちは?
- 品質は?
では、さっそく回答です↓
レザーの良さがダイレクトに伝わる財布が魅力
HERZ(ヘルツ)は、革好きにたまらないブランドです。
もともとは鞄作りを中心としていたメーカーですが、財布に関しても魅力的な商品が多数。
ここでは勝手ながら4つのコンパクト財布を紹介します。
GS-54 (8,800円)
きめ細かなシボと、表面を磨いて出した光沢感が素晴らしいレザー、「ユーフラテ」を使用しています。(レビュー|GS-54)
WS-4 (10,340円)
ヘルツのオリジナルレザー「ラティーゴ」を使用した財布。
ザ・スタンダードとも言える素朴ながら極上のスムースレザーがたまりません。
KK-38 (4,950円)
ロングセラーアイテム。ヘルツのオリジナルレザー「スターレ」を使用した財布。
シボやシワが特徴的で柔らかいの特徴です。
GS-69 (11,000円)
イタリアの名門タンナー「バタラッシィ・カルロ社」によって鞣(なめ)された高級レザー、「ミネルバリスシオ」を使用しています。
銀面がなめらかでスムースな仕上げになっています。
ここで紹介した財布はたったの4点ですが、ヘルツのレザー財布の良さが存分に伝わったかと思います。
どこか懐かしく、
どこか見覚えがある、
「こういうのが良いんだよ!」そう叫びたくなるほど(笑)、 イタリアンレザーが上質で、普遍的なデザインです。
【価格】コンパクト財布は4,950円~17,600円
結論から言えば、HERZ(ヘルツ)のコンパクト財布はかなりお手頃な印象。
コンパクト財布に限って言えば、価格は4,950円~17,600円です。
ちなみに、ヘルツには複数の直営店舗があり、工房もこれらの直営店舗に隣り合う形で複数存在します。
全ての商品は、いずれかの工房の職人さんによって丁寧に製作されています。
つまり、大量生産できない上でこの破格の値段・・・信じられません。
【評判】レザー好きに不動の人気
やはり、オーソドックスで素朴なデザインが好きな方にHERZ(ヘルツ)は大人気。
人気の理由の一つは、素材に使用される上質な色合いのイタリー製タンニンなめしレザー。
ヘルツは「ラティーゴ」というスタンダードなスムースレザーと、シボ・シワが特徴的な「スターレ」というソフトレザーの2種類をメインに使用しています。
どちらも成牛の「皮」を使用しているため、ヘルツを象徴する丈夫な革に仕上がっています。
イタリアに特注
「皮」から素材の「革」へとなめされた場所ですが、ヘルツは本場イタリア・トスカーナ州のタンナーに特注しています。(イタリアのタンナーに特注を頼むって時点でなかなか聞きません(汗))
そのため、原皮の状態からグレードは高い物になり、引き締まった繊維で傷も少なめ。(間違っても繊維が荒く、虫刺されの多い南国牛は使われません)
そんな上質な原皮を使い、タンナーさんと数十年にわたって開発されたのがヘルツのオリジナルレザーです。
ここで、「革の開発ってそんなに時間かかるものなの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
開発に長い年月
実は一言で「皮のなめし」と言っても奥はめちゃくちゃ深いもの。というのも、なめし工程は料理のように複雑です。
使う食材の種類・量・順番が変わるだけで、全く異なる料理になるのと同じで、
なめし剤の配合、仕上げ処理の種類、工程の細かい調整次第で革も全く異なる風合いになります。
そんな中、ヘルツはイタリアのタンナーと細かい仕様のやりとりを重ね、ようやく納得できる革にたどり着いてます。
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【皮から革へ】革の鞣(なめ)しの種類となめし作業をわかりやすく解説
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感覚的に楽しめるレザー
出来上がったオリジナルレザーですが、イタリアの植物タンニンなめしらしいオイルがたっぷり浸透した滑らかな肌触りと絶妙な色合い。
じっくり観察してみると、天然物ならではのナチュラルマーク(傷・虫さされ・シワ)があふれる一点物の表情。
もちろん、なめす工程で使用されたタンニン剤や染料の心地良い香りを楽しむの忘れてはいけません。
これらは、ルネッサンス期から試行錯誤を繰り返してきたイタリア人のセンスの集合体であり、あらゆる想像が駆り立てられます。
経年変化と共に
そして丈夫なヘルツのレザーですが、単純に長持ちすれば良いとは考えられてません。
極上の経年変化でレザーの変化が「楽しめる」エンターテイメント性が付属。
革の中にたっぷりと染み込んでいたオイルが光沢感を強め、革はアメ色に変化していきます。
どんな人生であれ、一緒に思い出を築いていけるエイジングこそ、ヘルツの革の最大の魅力かもしれません。
HERZ(ヘルツ)とは
ここからヘルツとはどういうブランドか解説します。
HERZ(ヘルツ)とは
1973年に近藤晃理(こんどう あきまさ)氏が創設したブランドです。
丈夫な作りが売りで、長く使い続けられるような縫製方法や金具類が採用されています。
こだわりのイタリアンレザーで作られる洗練されたデザインはどんなに時代にも通用し、使い続けることで自分だけの愛用品となっていきます。
2013年から代表は野口裕明(のぐち ひろあき)氏となっています。
ヘルツのはじまり
HERZ(ヘルツ)創業者の近藤晃理(こんどう あきまさ)氏は、もともとグラフィックデザイナーとして勤務していました。
あるとき、会社の同僚から一枚の革を貰ったことをきっかけに、レザーの魅力に取り憑かれていきます。
まず最初に、趣味で手提げカバンをつくってみたところ、周囲の評判が上々。
そんなとき、大学の同級生から、共同の作業場を赤坂に借りる話を持ちかけられます。
創業
これが1973年のことで、ヘルツと鞄づくりの本格的なスタートでもあります。
きっかけは趣味
m+(エムピウ)設立者の村上氏は趣味のレザークラフト作り、そしてyuhaku(ユハク)設立者の仲垣氏も趣味の絵描きからブランドが始まってます。
近藤氏との共通点として、みんな趣味からスタートしていること。
趣味によっては意外にビジネスになるから大切に継続した方が良いのかもしれませんね!
近藤氏は創業したものの、当初はミシンを持っていなかったため、革紐でくくって作るカバンをメインに製作していたそうです。
そして1975年、転機が訪れます。
浅草の鞄屋が閉店するため、革用のミシン「シンガー5K」を手に入れたのです。(シンガー:1851年創業の老舗ミシンメーカー)
このミシンは厚い革の縫製に特化しており、近藤氏の丈夫なカバン作りにピッタリでした。
一人で営業も
ちなみに最初は商品の製作以外に、営業まで一人でこなしていました。
コネも無かったため、作ったカバンを持っては、銀座や新宿を歩きまわる日々。
当然ながら相手にされないことが多かったものの、面白がって置いてくれるお店も出てきたそうです。
ポイント
製品の製作と営業を誰からも教わらず、近藤氏は全て一人で行っています。
「え!?どういうこと!?!?ノーマニュアル??」って感じです(汗)
この突き抜けた根性は男なら誰しも憧れます。
こうした地道な活動を続けながら、1983年に青山本店を店舗兼工房として開店。
この工房と売り場が隣り合う空間は、独特な雰囲気を醸し出しました。当時はお金がないための選択でしたが、今ではヘルツ直営店舗を象徴する魅力の一つに。
会社の拡大とともに、1994年に渋谷工房を、2000年代には日本全国に工房や店舗を増設していきます。
さらに2009年、ヘルツの新しいシリーズとなる「Organ(オルガン)」ラインの誕生に至ります。
【品質】長く愛用できる丈夫な作り
HERZ(ヘルツ)は創業当初から「丈夫」であることを重視してきました。
長くに渡って使ってもらうためです。
この方針は、50年近く経った今でも変わりません。
新作をデザインするたびに、第一に「丈夫かどうか」を見ているそうです。
長持ちに特化した製法
ヘルツの素材の特徴として次の3点があります↓
- 革は伸びないように厚めに
- 糸は切れないように太く
- 金具は摩耗に対応するため大きめのものを
また、この他の特徴に、縫製箇所を可能な限り削ぎ落とす工夫も見られます。
もちろん、これも「丈夫」であることを追求した結果。
ステッチへの負荷
実際、使用を重ねることで革製品の革は伸びていきます。
結果的に、製作当初のステッチの間隔では狭くなり、それが糸への負担になって故障につながります。
縫製箇所を削ぐ工夫により、故障リスクを極限まで抑えているのでしょう。
【店舗】日本の大都市中心に店舗多数
HERZ(ヘルツ)は日本の大都市を中心に直営店を構えています。
本店は都内の渋谷区神宮前に位置。表参道駅から徒歩7分です↓
すぐ近くにヘルツの新ラインとなるOrgan店舗もあるため、こちらにも足を運んでみるのも良いかもしれません↓
わたしも友人とヘルツ本店、そしてオルガン店に行きました。
そこで気がついたのですが、革製品は僅かなサイズ感が気になる場合があるので、実際に手にとってみることをオススメします。
友人も両店舗の小銭入れのサイズ感を入念に確認してから購入していました。
【まとめ】作り手の思いが伝わるモノづくり
「HERZ(ヘルツ)」はドイツ語で「ハート」を意味します。文字通り「心ある商品作り」が由来。
実際、ヘルツでは分担制をとりません。職人さんは一人で一つの商品を最初から最後まで製作。今では珍しい一人屋台方式です。
だからこそ、他社では見られない作り手の「ハート」がダイレクトに伝わる楽しさあります。
レザーらしさが存分に楽しめるアイテムを選ぶ場合、ヘルツは要チェックですね!