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【レビュー】ヘルツのコンパクト財布|オルガンGS-54【究極のオーソドックス】

革好きにはたまらないレザーブランドのHERZ(ヘルツ)。

そんなHERZのOrgan(オルガン)ラインのコンパクト財布、「GS-54」を一年半ほど使用してみました。

オススメな人

  • 極上のイタリアンレザーを堪能したい
  • 革好きならではのブランドから選びたい
  • 薄くて小さい財布でスリムに決めたい
  • キャッシュレス時代でも現金をたまに使いたい
  • カジュアルな服装に合わせたい

たった2枚のレザーパーツから作られたシンプル設計で、レザーの風合いが存分に楽しめました。

間違いのない品質の革で、キャッシュレス時代をスリムに決めたい方は必見です。

HERZ|公式オンラインショップ|ミニ財布・コンパクト財布

筆者プロフィール

財布のJG。財布オタクで、数十種類のコンパクト財布を使用し、比較検討しています。

ヘルツってどんなブランド?歴史と財布を解説

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【仕様とカラーバリエーション】

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Organ GS-54 の仕様

価格 8,800円
カラー ブラウン、ダークブラウン、ブラック
サイズ(cm) 縦9.0×横10.0×厚み2.0(公式サイト)
縦9.0×横9.7×厚み1.2(実測値)
重さ - (公式サイト)
46g(実測値)
素材 イタリア牛革(ユーフラテ)
最大収納目安 紙幣15枚、カード7枚、硬貨25枚
合うシーン スマートカジュアル、カジュアル
対象ユーザー メンズ・レディース・キッズ

カラーバリエーション

カラーバリエーションの3色です。

アンバー
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引用:ヘルツ

カスターニョ
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引用:ヘルツ

ブラック
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引用:ヘルツ


【外観】安らぐオーソドックスなデザイン

「GS-54」の外観ですが、まるで古(いにしえ)から伝わってきたような袋物の形でした。

百年前に作られたといわれても、全く違和感のないデザインです。

そしてこの形状にヴィンテージテイストのイタリアンレザーが放つ雰囲気。

"古き良きレザーアイテム"へ原点回帰したような特別な逸品です。


あらゆる角度からチェック

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まるでジブリの世界に出てきそうな世界観の財布。

いつの時代でも通用する、”革の普遍的な価値"を感じずにはいられません。


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フラップ長さが前後で異なるため、正面がどちらか容易にわかるデザイン。

ユーザーフレンドリーなところも最高でした。


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ヴィンテージ感のレザーをこれでもかというほど、視覚的に楽しめる素朴な裏面。

もちろん、片手で余裕を持って保持できるサイズ感で、フットワークが軽くなるパーフェクトサイズ。


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カード5枚、お札10枚、コイン15枚収納したときの厚みは、最厚部で21ミリ。

何も収納していないとき、12ミリ。シルエットを崩すことなく持ち運べるこの薄さは最高です。


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まるで折り紙のように財布が形作られているのが分かります。

裏地は敢えて使わず、イタリアンレザー「ユーフラテ」の柔らかな床面(とこめん)が楽しめる仕様でした。


【使い勝手】まとまった使いやすさ

実際に現金やカードを使ってみた感想ですが、簡素な構造から、想像どおりのシンプルな使い心地でした。

ことわざ、“過ぎたるはなお及ぼざるがごとし”がピッタリの表現。

レザーの良さを最大限活かすため、

無駄なことは一切せず、程よい機能性にまとめていました。


【カード入れ】最大8枚入る

レザー「ユーフラテ」のしっとりとした床面(とこめん)の滑りを活かしたカード入れ

おかげで快適にカードの出し入れが行えました。

最大8枚入りましたが、ここまで入れるとかなりキツめです。

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快適な使用には5枚ほどが望ましいでしょう。

私の5枚のラインナップ

  • 交通系ICカード
  • キャッシュカード
  • クレジットカード
  • 保険証
  • 運転免許証


【お札入れ】2枚に折って入れる

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お札は2枚に折って収納するタイプでした。

ポケットはお札がちょうど収まる程度の深さ。

お札の隅が少し折れるときもあるため、気になる方は気になるかもしれません。

が、そんなことを補って余りある革の質感で、わたしは全く気になりませんでした。


【小銭入れ】ワイドに開いてグッド

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小銭れはワイドに開き、抜群の視認性と取り出しやすさがありました。

しかし、驚きはそのシンプルかつ不思議なデザイン。

二箇所の「かがりステッチ」、そして計算されたレザーパーツの形状により、小銭入れのササマチ機能が生み出されていました。

アイデアと、寸分の狂いのない設計に感動します。


【品質】シンプルで丈夫なつくり

ここまでご覧のように「GS-54」はヘルツらしい、シンプルで丈夫な作りでした。

最高・最低限のレザーパーツ、そこに要所を押さえた縫製。

素材のポテンシャルが最大限ひき出されたモノ作りは唯一無二に感じました。


【作り】脅威|たった2枚の革パーツから

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「GS-54」はたった2枚のイタリアンレザーから構成されていました。

財布を形作る大きめの一枚革と、小銭入れとお札入れの仕切りを果たす、小さめの一枚革です。

まるで折り紙のように効果的に折り曲げ、全てが無駄なくまとまっています。

とにかく驚きですが、ホントに2枚。


【革①】名門バタラッシィ・カルロ社製のレザー

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そしてお待ちかね、ヘルツのアイテムといえばレザーへの絶対的こだわり。

「GS-54」にも世界的に有名なイタリアのタンナー「バタラッシィ・カルロ社」による「ユーフラテ(Eufrate)レザーが使われていました。

「バタラッシィ・カルロ社」といえば、イタリアで古くから伝わるなめし手法(バケッタ製法)を使ったレザーが世界的に有名です。

手間暇かけて作られるレザーだけあり、天然の皮を活かした表情、暖かい発色、なめし剤の植物のにおい、そしてオイルたっぷりの柔らかな肌触りが世界中から支持されています。

【革②】少し使い込んだような親しみやすさ

「ユーフラテ」も、そんなバケッタ製法のレザーですが、さらにそこに一手間。

革をドラムの中で回転させ、シワクチャにすることでシボ感をつくり、さらに硬いガラス玉で革の表面を一枚ずつ磨き上げています(グレージング加工:表面を平らにすることで光沢感を生み出す仕上げ)。

なので「ユーフラテ」の場合、独特の"くたっとした質感"、そして上質なツヤ感が楽しめました。

バケッタ製法の柔らかな風合いを活かしつつ、初めから少し使い込んだような親しみやすさは唯一無二です。

【革③】ヴィンテージ感あふれる経年変化

もちろんイタリアンレザーといえば、使い込むほど楽しめる経年変化

買った当初の写真が残っていなかったので、ヘルツの公式HPから写真を引用します↓

引用:HERZ

「ユーフラテ」は使い込むことで革の"くたっとした質感”がどんどん増していった気がします。

古着と合わせれば、誰にも真似できないオンリーワンの演出ができそうですね!

【革④】革の名前がもつ深い意味

ところで、レザーの名前「ユーフラテ(Eufrate)」。なかなか気になる名称です。

調べたところ、Eufrateはイタリア語でユーフラテス川(トルコ、シリア、イラクをまたがる川)を意味していました。

世界最古の「メソポタミア文明(紀元前3000年ごろ)」が発祥した川で、この時代の王墓から当時の革製品が発掘されています。

イタリア人といえば古代の文化を復興しようと、14~16世紀にかけて勤勉に学問を追求した「ルネッサンス」がアイデンティティ。

もしかしたら「バタラッシィ・カルロ社」のタンナーさんも、古代の文明に何かしらの思いがあり、それに近づきたくて「ユーフラテ」というヴィンテージテイストのレザーを作り上げたのかもしれませんね。


【縫製】たった3点+2辺の縫製

素材の革を説明したところで、ここからは作りにフォーカスしていきます。

まずレザーアイテムといえば、縫製箇所が多くなればなるほど、故障リスクが上がるもの。

使用するうちに革は伸び、ステッチへの負担が増え、最終的にほころびが生じます。

そのため「GS-54」は、最低限の縫製で形状を作り上げていました。

カード入れに1箇所

まずは、カード入れに1箇所の頑丈な縫製です。

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このとき、カードにボタンの金具が接触しないような工夫もヘルツの製品だからこそ。

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小銭入れに2箇所

そして、小銭入れを形作る2箇所(かがりステッチ)の縫製です。

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お札入れに2辺

残すは、お札入れと小銭入れを形作ると同時に、仕切りの役割を持たせる革パーツを取り付けるための2辺の縫製です。

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ちなみに本箇所の縫い目は外側から見えません

「縫い返し」という技法で表革同士を合わせて縫製し、あとで表革が外側にでるようにひっくり返しています。

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【デメリット】ファッションを選ぶ

レザーアイテムにおいてデザインを追求したとき、辿り着く究極の答えの一つが「GS-54」かもしれません。それだけレザーの良さを活かしたシンプルな作りです。

それゆえ、裏地や革の裁断面(切り目仕立てのコバ)の仕上げが見られません。

なので、財布に関してきっちりとした見栄えを好み、ハンドクラフトのように見せたく無いという人には向いていないでしょう。

完全に好みの問題ですが、「GS-54」はファッションやライフスタイルを選ぶ財布といえます。

きっちりとした仕上がりの財布

好みでもう少しきっちりしたデザインの財布を探している場合、CYPRIS(キプリス)」のアイテムなんかがイチオシです↓

【レビュー|コスパ最強】キプリス|ラウンドファスナーのコンパクト財布【英国製ブライドルレザー】

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【まとめ】革好きならヘルツ

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HERZ(ヘルツ)は、1973年に近藤晃理(こんどう あきまさ)氏が28歳のときに設立したブランドです。たった一人でレザーカバンを作りはじめ、一人で営業を行い、コツコツと拡大していきました。

そんな工房を開くにあたって、近藤氏がこだわったことは製品が「丈夫」なことでした。

設立して間もない無名の工房の鞄が壊れてしまったら、一気に信用を失ってしまうためです。

結果的に、長い期間に渡って、いつまでも愛用されるデザインが追求されてきました。

変わらないヘルツの良さ

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今回レビューした「GS-54」を通し、そのこだわりが50年近いときが経った今でも続いていることが確認できました。

工夫を重ねたシンプルで丈夫なデザイン。そしてだからこそ、活かされる極上のイタリアンレザー。

どこか懐かしさすら感じさせました。

レザークラフト好きにはやっぱりヘルツがイチオシです。

ヘルツってどんなブランド?歴史と財布を解説

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【買った場所】

わたしの場合、「GS-54」を表参道駅近く(徒歩10分)にあるOrgan(オルガン)店舗で購入しました。

ただし、表参道駅まで足を運ぶのがなかなか大変な方も多いと思います。

その場合、公式オンラインショップがオススメです

ポイント

注意点として、公式オンラインショップは受注生産のため、届くまで5~6週間ほどかかるみたいです。


【類似品】ほかにオススメのコンパクト財布

最後に類似のイタリアンレザーを使用したコンパクト財布のご紹介です↓

気になる方はぜひチェックしてみてください!

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