日本を代表するレザーブランド「土屋鞄製造所」のコンパクトな二つ折り財布、「ウルバーノ コンパクトコインパース」を1年ほど使ってみたのでレビューしました。
オススメな人
- 小銭の取り出しやすさに妥協したくない
- ビジネスシーンにふさわしい財布が欲しい
- 使い慣れた二つ折り財布が良い
- メインの財布として使える収納力が欲しい
- 上質なレザーの経年変化を堪能したい
普段は現金での支払いが多いものの、徐々にキャッシュレス決済の導入を考えている方にぴったりの財布。
コンパクトなサイズ感と小銭の取り出しやすさがとにかく印象的でした。
土屋鞄公式ショップ(ウルバーノ コンパクトコインパース)筆者プロフィール
数十種類のコンパクト財布を使用してきた財布のJGです。過去に財布の販売経験もあります。
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【土屋鞄製造所】歴史を紐解きつつ、高い評判の財布を紹介!【解説】
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【仕様とカラーバリエーション】
ウルバーノ コンパクトコインパース の仕様
価格 | 25,300円 |
カラー | ブラック、ブラウン、ダークブラウン |
サイズ(cm) | 縦9.3×横10.5×厚み2.0(公式サイト) 縦9.4×横10.5×厚み1.9(実測値) |
重さ | 100g (公式サイト) 92g (実測値) |
素材 | 表地:タンニンなめし牛革(バケッタミリングレザー) 裏地:スムースレザー、レーヨンシャンタン |
最大収納目安 | 紙幣15枚、カード5枚、硬貨23枚 |
合うシーン | フォーマル、ビジネス、スマートカジュアル |
対象ユーザー | メンズ・レディース |
3つのカラーバリエーション
スーツにばっちり合う定番の3色。
わたしはブラウンを選びましたが、どの色でも失敗はありえませんでしたね。
- チョコ
- ブラック
- ブラウン
土屋鞄製造所|オンラインショップ|ウルバーノ コンパクトコインパース
【外観】高級感あふれるデザイン
まずは「ウルバーノ コンパクトコインパース」の外観ですが、ラグジュアリーな雰囲気は絶妙でした。
シボ感あふれるイタリアンレザーの表情、そして職人さんによる丁寧な仕上がり。
やっぱり本当に”イイモノ”の主張は、心地良く感じるものなのでしょう。
緊張したビジネスシーンでもちょっとした癒しになって救われました。
あらゆる角度からチェック
それでは1年ほど使用し、エイジングが進んできた「ウルバーノ コンパクトコインパース」の外観をチェック。
奥行きのある革の風合いに対し、シャープな輪郭を主張するステッチ。
対象的な2つの主張がお互いを際立たせていますね。大人のカッコ良さです。
そして正面。擦れの程度によって、革の経年変化の進行にも差が生じています。
使い込むことで革の表情がさらに豊かになるのが、この財布ならではの嬉しいポイント。
カード4枚、お札10枚、コイン15枚を入れた状態で厚みは25ミリでした。
尻ポケットに入れても軽快に動きまわれるのも魅力。
財布を開けば、内側まで確認できるこの精巧な作りです。
どこを見てもキレイなステッチ。そしてカードポケットの念引き(縁のライン)。
まるで「良い仕事とは何か」を教わる感覚。
スッキリでコンパクト。一般的な二つ折り財布をわずかに小さくしたサイズ感です。
土屋鞄のスピリットを象徴する革包丁。このロゴが付いていることに価値があります。
【使い勝手】現金が使いやすい!
上質なイタリアンレザーを使用した高級感あふれる「ウルバーノ コンパクトコインパース」。
ですが、最大の売りは現金の使い心地にありました。
二つ折り財布ならではのお札と小銭の取り出しやすさは期待を裏切りません。
というより、ここまで現金が使いやすいと、キャッシュレス決済を選ぶ理由がなくなっちゃいます(笑)。
【小銭入れ】やっぱりボックス型は魅力的
「ウルバーノ コンパクトコインパース」の最大の特徴の一つが、
こぼれ落ちるリスクが小さい「ボックス型小銭入れ」が採用されている点です。
素晴らしい視認性と取り出しやすさを実現していました。
驚いたのが、かさばるボックス型小銭入れをスリムに仕上げた構造。
ボックス型小銭入れパーツを、財布本体の内側に縫い合わせることで実現していました。
まさに使いやすさと薄さを両立させた美しいデザインです。
こういった飽くなき探究心と工夫が見られるのも「土屋鞄」ならでは。
自販機や個人経営のお店でよく買い物をする方など、
小銭の扱いに妥協したくない方に是非チェックしてもらいたいですね。
【お札入れ】定番の使いやすさ
お札は一般的な二つ折り財布と同等の使い心地でした。非常に快適。
領収書も収納
お札入れに専用の仕切りはありませんが、領収書も収納していました。
【カード入れ】収納できる枚数は5枚と少なめ
次はカードポケット。カードは計5枚入りました。
一般的な二つ折財布と比べて少なめで、スリムさを重視した印象。
キャッシュレス時代に合わせて必要最低限のカードだけ持ち運ぶデザインですね。
注意点として、5枚目のカードのフィット感がかなりキツめだったこと。
落ちる心配が無いのは安心できますが、カードの出し入れに慣れが必要でした。
ちなみに私の場合、5枚目は入れずに4枚で過ごしていました↓
入れていた4枚
- 交通系ICカード
- キャッシュカード
- クレジットカード
- 保険証
よければ参考にしてください!
ICカードも
毎日つかうICカードですが、開けながらのタッチで快適でした。
【品質】安心のMade in「土屋鞄」
土屋鞄製造所といえば、質の高い革を使用した丁寧で丈夫なモノづくりというイメージ。
これはランドセル作りからはじまったレザーブランドだからでしょう。
子供たちが盛大に暴れまわる6年間。それに応える革製品づくりのノウハウは唯一無二。
「ウルバーノ コンパクトコインパース」でもそんな土屋鞄ならではの品質が確認できました。
【革①】膨大な手間暇|バケッタ・ミリングレザー
すでに少し紹介しましたが、「ウルバーノ コンパクトコインパース」のクオリティを語る上で外せないポイントが、イタリアの「バケッタ・ミリングレザー」を使用している点です。
「どういう革なの?」
と疑問に思う方も多いでしょう。
この答えは「バケッタ・ミリングレザー」という名称を理解することで見えてきます。
1000年の歴史を誇るバケッタ製法
まずは「バケッタ」ですが、これは「皮」を素材の「革」へと鞣(なめ)し加工するためにイタリアの名門タンナーが行なっている「バケッタ製法」から来ています。
植物から採れるタンニン剤で長時間かけて鞣(なめ)し、牛脂を浸透させながら、最後に革を磨きあげる製法です。
10世紀以上前から使用されている伝統的かつ、とても手間暇のかかる製法。
ですが、革本来がもつ美しさと色合い、そして極上の経年変化が見られることから、世界中で絶大な人気を誇ります。
ミリング加工で上質なシボ感
そんなバケッタ製法の革に、さらに一手間かけたのが「バケッタ・ミリングレザー」になります。
「ミリング」とは革をドラムに入れて回し、シワくちゃにする空打ち加工を指します。
出来上がった革は、ふんわりとし、おしゃれなシボやシワが見られます。
【革②】高級感がありながら親しみやすい
とても大変な工程を経て出来上がった「バケッタ・ミリングレザー」。
その良さは「ウルバーノ コンパクトコインパース」でもしっかりと表現されていました。
まずは見るものを惹きつける高級感ある色合い。
タンニン剤の配合や水質を含め、イタリアだからこそ表現できるセンス抜群のカラーです。
そのうえ、このふんわりとしたシボやシワがたまりません。
どこか近寄りがたい高級感ある革が、このシボ感によって親しみやすい仕上がりになっています。
もしかしたら、緊張を解く効果がミリング加工にはあるのかもしれませんね。
【革③】癒しと楽しさ
もちろん、革の楽しみ方は見た目だけではありません。
触ると感じる凹凸、柔らかいタッチ、そしてたっぷり含まれたオイルのしっとりした風合い。
肌触りだけでこれだけの主張。ホントに色々な癒しを与えてくれます。
さらに擦り合うことで「キュッ」とした音が出ました。お金を取り出すときや、財布をしまうときまで、心地いい音がもてなしてくれました。
【革④】極上の経年変化
さらに極め付けは、使い込むことで見られるエイジング(経年変化)。
使用して1年ほどになります。にじみ出るオイルによってツヤ感が増し、凹凸のシボ感も滑らかになってきました。
この豊かな表情の変化が見られるのも特別な「バケッタ・ミリングレザー」だからでしょう。
わたしの場合、エイジングに気づくたびに、ともに乗り越えてきた苦労が頭をよぎります。
たまには思いをめぐらせるのも、大人ならではの贅沢な時間の使い方ですね(笑)。
【作り①】ココは見ておきたい|重厚なコバ塗り
ここまでは革の特徴にフォーカスしてきましたが、つぎは作りを見ていきましょう。
まずは「ウルバーノ コンパクトコインパース」の側面。
一体感ある美しく丈夫なコバ塗りが見られました。
断面を磨き、その後ニスを塗っています。美しい仕上がりになるまで何度も磨きとニス塗りは繰り返されます。
非常に手間暇のかかる工程ですが、完成した財布の一体感は芸術の領域。
※長期にわたって使用していくと、コバが割れることもあります。
土屋鞄であれば、職人さんによる修理サービスもあるので安心(別途見積もり)。
【作り②】見逃したら勿体ない縫製
表面には太めのステッチを使用した主張。
財布の輪郭が引き締まりつつ、力強くも頼りになるイメージに仕上がっていました。
もちろん縫製はどこも丁寧。とくに職人さんの技術が顕著にあらわれる箇所が、革パーツが途切れる段差部の縫製。
海外の安価な製品にはステッチがゆがんでいるものも多い印象です↓
一方、土屋鞄のステッチはどこも驚くほど真っ直ぐで丁寧でした↓
ご覧のように、
「ここの作りはどうか?」
興味本位で確認すれば、必ず最高の作りで応えてくれる。
この安心できる品質こそ「土屋鞄製造所」に感じました。
【デメリット】カード入れはキツめ
ラグジュアリーなデザイン、信頼できる使い心地と品質の「ウルバーノ コンパクトコインパース」。
ですが、デメリットもありました。
整理すると、コンパクトサイズに仕上がっている分、カード入れがキツかった点です。
3~4枚目までは問題なかったのですが、5枚目のカードを入れるとかなりキツく、取り出しに苦労しました。
対策
すでにカード入れを解説しているところでも紹介しましたが、
対策として私の場合は5枚目のカードを入れずに4枚で過ごしていました。
もちろん、カードがすべり落ちないのは安心できたので、カードの使用頻度が低く、多少キツイのは気にならないという方は5枚目を入れても良いでしょう。
もし、「たっぷりカードも入れたい」なら、土屋鞄の「ディアリオ ハンディLファスナー」をチェックしてみてください↓
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【レビュー】土屋鞄のミニ財布|ディアリオハンディLファスナー
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【まとめ】土屋鞄の財布のチャレンジ精神
購入したきっかけですが、
現金が手放せない今のキャッシュレス時代に、小銭やお札の出し入れがしやすいコンパクト財布を探していたところから始まりました。
そんなときに見つけたのが「ウルバーノ コンパクトコインパース」です。
スリムなサイズを維持しつつ、妥協のない小銭の使用感に挑戦した二つ折り財布。ほかに類を見ません。
【買った場所】
土屋鞄公式ショップ(ウルバーノ コンパクトコインパース)の解説を読むと、ボックス型小銭入れの設計は何度も微調整され、美しく仕上げられていると解説されています。
ここまで来るともはや試すしかありません!(笑)
決して安くないブランド品の購入のため、わたしは安心できる公式ショップ(TOPページ)から直接買いました。
現金の使いやすはダントツ
実際に使ってみると、
代名詞の小銭入れを含め、現金の使い心地はこれまで使ってきたどのコンパクト財布よりも安定していました。
さらに、素材の「バケッタ・ミリングレザー」によって上質な癒しを受ける日々。
細部まで丁寧な土屋鞄流のモノづくりまで見られ、もはや言うこと無しでした。
土屋鞄のチャレンジ精神
最後になりますが、
ここまで高い完成度の財布が誕生した背景を知るため、土屋鞄のルーツをご紹介します。
まず土屋鞄製造所の成り立ちですが、土屋國男(つちやくにお)氏が1965年、11坪の工房でたった一人で創業しました。
中学卒業と同時に上京し、10年の下積み経験を経て、ランドセル作りからブランドは初まっています。
挑戦し続けたコンクール
創業間もない頃の土屋氏は、「日本かばん協会」主催の技術創作コンクールに何度も参加し自身のランドセルを出展しています。
コンクールに参加するたびにたった一人で試行錯誤を繰り返し、技術やアイデアを磨き上げていきました。
最終的に、「全国百貨店協会会長特別デザイン賞」や「経済産業省局長賞」を受賞するに至ります。
受け継がれるスピリット
本記事でレビューした「ウルバーノ コンパクトコインパース」ですが、
技術を追求した土屋氏らしい”挑戦"が受け継がれていることを確認できるアイテムに感じました。
コンパクト財布にボックス型小銭入れを「薄く」かつ「美しく」組み込んだ”挑戦"。
そりゃあ、良い財布が出来上がるのも納得ですね。
【類似品】ほかにオススメのコンパクト財布
現金派のコンパクト財布エントリーモデルとしてパーフェクトな完成度の「ウルバーノ コンパクトコインパース」。
とはいえ、念のために他の財布を見ておきたいという方もいるでしょう。
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