財布は使用するレザー素材、細部までのデザイン、そして職人さんの仕上がりによって個性が発揮されます。
そのなか、独自の染色技術を駆使しながら、美しいレザーアイテムをそろえるブランドがあります。そのブランドこそ、いま圧倒的な人気を誇る「yuhaku(ユハク)」です。
ユハクの秀麗なレザーは、たくさんの人を魅了し続けています。が、意外にもその成り立ちを知る人は少ないでしょう。
そこで、財布の販売経験のあるわたし(財布のJG)が、本記事でユハクについてまとめました。
疑問
- yuhaku(ユハク)ってどんな財布があるの?
- どんな価格帯?
- 評判は?
- そもそもユハクとはどんなブランドなの?
- 商品の品質は?
- どこで買えるの?
では、さっそく回答です↓
佳麗なレザーの芸術的なミニ財布
yuhaku(ユハク)の最大の特徴は、何と言っても美しいレザーです。
「百聞は一見に如かず」
見ればその魅力がわかります。
ここではコンパクト財布3つと名刺入れ1つをピックアップしました。
YFF191N ミニマルウォレット (44,000円)
風光明媚な景色と華麗に融合しています。
透き通るような白と艶やかな青のグラデーションがとにかくキレイなコンパクト財布。
レザーにはイタリア産キップを使用しており、肌触りが良いのも嬉しいポイントです。(色違いレビュー|YFF191)
YVP194 フラグメントケース (31,900円)
ビッグブランドも一斉に作っているカードポケットとファスナーから構成される極薄のフラグメントケースタイプ。
ユハクは他社が真似できない独自レザーで差をつけています。
レザーにはイタリア産ベビーカーフを使用し、きめ細かなタッチ感も楽しめます。
ASB122コンパクト財布 (18,700円)
直線的で無機質な表情が特徴のユハク「ALBERTE(アルベルテ)」ラインの小型フラグメントケースです。
他では見られない色使いがオシャレを引き立てます。
スボンやジャケットに入れても、シルエットを崩さない薄さが魅力的。(レビュー記事)
PF161名刺入れ (19,800円)
こちらは名刺入れです。イタリア産ベビーカーフにユハク独自の染色で、美しいグラデーションを生み出しています。
初対面の人との会話が苦手な場合、このキラーアイテムで会話の糸口も見つけられそうです。
ご覧のように、ユハクの革アイテムは華麗な染色を施したレザーが最大の特徴です。
その美しさは、芸術の域。
ちなみに、ユハクは「Alberte(アルベルテ)」シリーズもプロデュースしています。
従来の革製品に細部まで工夫を施し、服を引き立てるパーツへと昇華させたラインアップですね。
【価格】コンパクト財布のほとんどは18,700~44,000円
素晴らしいアイテムを見つけると、私たちが気にするのがお値段。
結論として、コンパクト財布の価格帯は18,700~44,000円にまとまっている印象です。
ちなみにクロコダイルレザーを使用した、希少価値の高い最上位モデルは50,000円を超えてきます。
他のブランドのレザーアイテムと比べ、全体的にやや高めの値段設定に感じるかもしれません。
人気アイテムは即売れ
それもそのはず。
yuhaku(ユハク)のオリジナルレザーは、職人さんが一つ一つ丁寧に手染めしています。
さらに革の中でも傷がない「良い部分のみ」を使用しています。
つまり、厳選された素材を使用し、手間暇がかけられている分、大量生産ができません。
商品価値が高まるということでしょう。
【評判】秀逸な美しさに大満足の声
芸術的なレザーの財布ですが、「実物も本当に綺麗なのか?」、「品質はどうなのか?」と気になる方もいると思います。
そこでレビューの一部をまとめてみました。
プラスな口コミ
- 感動する綺麗なデザイン
- ブルーの美しさは秀逸
- 心地よい革の肌ざわり
- 縫い目がきれいで丁寧なつくり
- 使いやすい
マイナスな口コミ
- 色合いが写真と少し違った
ご覧のように、購入して満足の口コミが圧倒的に多かったことが分かりました。
また、ユハクはジャパンブランドらしい、丁寧な作りであることが伺えます。
一つ一つ丁寧に染色
マイナスの口コミとして、実物の色合いが写真とわずかに異なる点が挙げられていました。
ユハクの革の染色は、職人さんが一つ一つ手作業で行っています。同一の仕上がりは不可能であり、色合いにも個体差が出るのでしょう。
レビューを確認すると、写真と実物では色合いに個体差があったものの、やはり見惚れてしまう美しさのようです。
特に箱から取り出して感動した方々の意見が目立ちました。中にはレザーが綺麗すぎて、使用をためらってしまう方も見受けられたほどです。
ちなみに、わたしもユハクの財布を使用しています!↓
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【レビュー】ユハクのミニマルウォレット|YFF191
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【レビュー】ユハクのアルベルテ|薄いコンパクト財布【これが機能美か!】
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yuhaku(ユハク)とは
ここまで素晴らしいレザー商品を見ると、「一体だれがどうやってこんな製品を作り出したのか?」と、気になる方も多いのではないでしょうか?
yuhaku(ユハク)とレザーの誕生ストーリーについて調べたので、ここにまとめました。
その前に、まずは急いでいる方に向けて要約です。
yuhaku(ユハク)とは
2009年に仲垣友博(なかがき ともひろ)氏が設立したレザーブランド。
独自の美しいグラデーション染色を施したレザーアイテムが人気を博しています。
染色技法は、仲垣友博氏が崖っぷちの独学生活の末に編み出したものです。
その手染め技術は国内外で高い評価を得ており、数々のメディアで取り上げられています。
店舗を横浜、銀座、そして心斎橋に構えており、日本を代表するレザーブランドへとその地位を築き上げてきました。
ブランド設立まで
今でこそ知名度あるyuhaku(ユハク)とその魅力的なレザーですが、これが世に出るまでのストーリーを知る人は意外に少ないでしょう。
まず、ユハクの設立者である仲垣友博(なかがき ともひろ)氏は1976年に福井県で生まれています。
実家は金属加工を営んでおり、ものづくりが当たり前の環境で育ったそうです。
仲垣氏も物作りをしたいという思いから、大学は建築科に進みます。しかし、実際に建築を学ぶと、なかなかしっくり来ません。
実際に学んでみると、「自分が想像していた世界と違ってつまらなかった」という経験をした方も多いでしょう。
私なんかも進んだ学科が想像に反して合わなく、惰性で通ってしまいました。
絵描きとして
仲垣氏の場合、興味のある絵描きになるために大学を中退します。
そして生計を立てるためにアルバイトを開始。ファッションに興味を持っていたことから、靴屋で働くことになります。
そこからは靴屋で販売員として働く傍ら、絵を描く日々が続いたそうです。
チャンスは突然やってくる
そんなある日、上司から「絵を描いているなら靴のデザインをしてみたら?」と提案されます。
「自分なんかがデザインしていいのか?」と悩みつつ、靴のデザインをやってみたそうです。
するといきなり、つま先が尖った、お兄系の靴を流行させることに成功します。
ここまで読んだだけでも、仲垣氏の独特な人生経験が見てとれます。
ものづくりと芸術に惹かれ、出会いを大切にしながら心のままに挑戦しています。
私のように他の人と一緒でなければ選択できない人間からすると、ものすごい勇気です。
このようなアルバイト生活を通して、販売からデザインまで経験を積むなか、29歳(2006年)のときに独立を決意。
独立してから3年間は修行だと決意し、人の3倍働いたそうです。
グラデーションレザーとブランドの誕生
今のユハクの代名詞とも言えるレザーは、この苦労の日々の中で生まれています。
ふと自分が欲しいレザーの色が無いことに気がつき、自ら作ってみようと思ったことが、もともとのきっかけでした。
しかし、そもそもレザーの染色は独学です。教わっていないため、当初は色も仕上がりも全くうまくいかなったそうです。
思考錯誤の末、革の乾燥を防ぐ栄養分の与え方や、綺麗な染色へと仕上げるグラデーションという技法にたどり着きました。
YUHAKU設立
ついに2009年、オリジナルブランドの「YUHAKU(ユハク)」の誕生です。
ブランド名
すでに気がついている方もいるかもしれませんが、ブランド名の「YUHAKU」は設立者の仲垣友博氏の名前を音読みにしたものですね!
生み出された美しいレザーに惹かれ、なんと大手アパレルブランドから独占契約の声がかかります。
ようやく到来したチャンスの中、独占契約の受注量に対応するため、従業員や機材を揃えていきました。
そんな矢先、東日本大震災が起こります。
崖っぷちでも諦めない
消費は滞り、約束されていた独占契約も終了してしまいます。
大学を辞め、大変な独立と独学の生活の末、やっと生み出したオリジナルレザーとブランドです。が、ここで万事休す。
と、思われましたが、こんなことで諦めないのが仲垣氏の凄いところです。
絶対絶命の中、満を辞して銀行から借り入れを行います。
予定されていた展示会に製品を出展し、一発逆転を狙ったのです。
結果、見展示会を通して見事に大手デパートで商品を取り扱ってもらえることが決まりました。
どうでしょうか?私もはじめてユハクの誕生を調べたときは驚愕しました。
独自の手染め技術を編み出したときも、震災で契約が終了したときの対処も、仲垣氏は常に崖っぷちに立たされながら、必ず活路を見出しています。
ユハクの躍進
実は大手デパートと契約できたものの、当初の売れ行きはそこまで伸びなかったそうです。
理由として、当時のビジネスマンといえば、黒色や茶色の製品を使うことが主流だったからです。
結果、ユハクの強みとするブルー系の色は敬遠されがちでした。
流れを掴む
そんな中、ワールドカップが到来します。
日本代表の勝ち色であるジャパンブルーに合わせて、デパートでセールスが開催されました。
ユハクの製品はその中でも特に注目され、話題を集めたそうです。
価値観の変化
これはわたしの私見ですが、2010年代に入ってからネットショップやファストファッションの浸透が顕著になりました。
自然と多様な製品を目にする機会が増え、幅広い価値観が受け入れられる時代になった気がしています。
ユハクのグラデーションカラーが人気となった背景には、こういった時代の流れもあったと私は推測しています。
軌道に乗ったユハクは、さらにECサイトや社員教育にも力を入れ、2020年には銀座に新店舗の開店にも至っています。
今でこそ、店舗に整然と並ぶユハクの製品ですが、成功までの過程は波乱に満ちていたことがわかりました。
【買える場所】店舗/百貨店/ネットショップ
直営店舗は横浜(本店)、銀座、そして心斎橋にあります。
また、ラインアップに限りはありますが、全国の百貨店でもユハクの商品は販売されています↓
お近くに販売店舗がない方、あるいは時間に余裕がない方は公式オンラインショップでチェックしてみてください!
【まとめ】ユハクだからこそのストーリー
美しいユハクのレザー製品を見ると、思わずため息が漏れてしまいます。
それだけ心が癒されるグラデーションです。
外出すると、友人や同僚にシェアしたくなります。
自宅の定位置に置いてあるときは、美しい佇まいを楽しむのも一興。
私なんかは、ついついそれだけで満足してしまいがちです。
しかし、製品の誕生の背景までのぞいてみると、さらに商品を深く味わえることに気がつけました。
ユハクのレザー製品は仲垣氏が渾身の思いで完成させた逸品であり、一つ違えばこの世に存在しなかったものです。
崖っぷちに立ち向かう勇気と類まれなセンスが重なって、この佳麗なレザーの色合いは誕生。
このストーリーこそ「yuhaku(ユハク)」を特別なブランドにしているのかもしれません。