これだけ抑えておけば大丈夫!というメジャーな仕上げのみをピックアップ。
難しい話は抜きに、レザーソムリエの私(財布のJG)が分かりやすく解説しています。
【はじめに】レザーの種類とは
「レザーアイテムの購入を検討している。」
という方は、「どんなレザーの種類があるのかな?」って疑問がわいてきますよね。
重要なポイントを確認しておきたいところです。
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革の種類は「仕上げ」と「動物」で分けて考えるべし
そこで少し面倒ですが、革の種類でまず注意するべきなのが、どの「動物」の皮で、どんな「仕上げ」をしたのか?ですね。
これがごっちゃになってしまうと、革の特徴がいまいちつかめません。
主な仕上げ方法をご紹介
そしてこの記事では、主な「仕上げ」の種類ごとに特徴を解説しました。
売り場で頻繁に見かけるものを優先的にピックアップしたので、革アイテムを選ぶときに参考にしてみてください。
(「動物」の種類が知りたい方はこちらの記事をチェックしてみてください!↓)
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シュリンク加工|革にシボ感をくわえて特別な表情を
革に薬品や熱を加え、銀面(革の表面)にシワやシボ感を与える加工です。
縮んでシボができる分、革も引き締まった印象になります。さらにキズが目立ちにくくなるのもポイントですね。
表面がスムースなレザーと比べ、ちょっと粋な雰囲気が好みの方に最適なレザーです。
ちなみに私はシュリンクレザーの触り心地が何とも言えなく落ちついて好きですね!
ミリング加工|革にふんわりとしたシワで上質な雰囲気を
革をドラマに入れてを回転させることでシワやシボ感を与える加工。
洗濯機でまわす様に、革はシワくちゃになる感じですね。
業界では「空打ち」と表現する場合も。
ポイント
シュリンク加工が化学的な加工に対し、ミリング加工は物理的にシワを与えています。
そのため仕上がりもより柔らかく、ふんわりした感覚。
シボが少しずつ薄くなっていく「味がある経年変化」はミリング加工されたレザーアイテムを持つ楽しみの一つです。
使い込むことで革の表情まで変化させたい!という方にピッタリでしょう。
グレージング加工|輝く革でラグジュアリー感
「メノウ」というツルツルで硬い鉱物で革の表面を一枚ずつ丁寧に磨く仕上げ。
グレージング加工された革は、表面がキラキラっとした光沢感ある仕上がりになります。
カーフ(生後6ヶ月以内の子牛)、キッド(生後6~24ヶ月以内の子牛)、馬のコードバンといった、きめ細かな繊維をもつ革に好んで使用される印象。
深いツヤと滑らかさが生み出されます。
手に持つとわかりますが、明らかにワンランク上の高級感ある雰囲気が伝わってきますね。
革に「輝き」が欲しい方は、グレージング加工されたレザーアイテムでご納得いただけるかと思います!
ヌバック|やさしいケバ立った革が欲しい①
革の銀面(革の表面)をサンドペーパーでこすり、繊維をケバ立たせた仕上げです。ふわふわっとした仕上がりで触り心地が良いですね。
もちろん見た目のケバ立たせた感じも優しい雰囲気でオシャレ。
ただケバ立っている分、汚れを捉えやすいところがあります。
買ったら使う前に防水スプレーで処理しておくと良いでしょう。
シープスエード|スムーズなケバ立ちの革が欲しい
ヌバックが革の銀面(革の表面)をサンドペーパーでこすっているのに対し、スエードは革の床面(革の内側・肉面)を同じように加工した仕上げ。
繊維の細かい子牛や山羊の革でよく使用される仕上げで、ケバ立ち具合が細かく、肌さわりは最高です。
ぶっちゃけヌバックと見た目や特徴も似ています。というか、一見すると違いが分かりません(笑)
ヌバックを触ると、ケバ立ち具合が「おぉ、ケバ立ってふわふわだな・・・」という感覚に対し、スエードの方は「すっげぇ、なめらかじゃん!」という感じですね(笑)
ベロア|やさしいケバ立った革が欲しい②
スエードは、繊維の細かい動物の床面(革の内側・肉面)をサンドペーパーでこすって仕上げていました。
ベロアの場合、成牛などの繊維がワンランク粗い動物の革を同じように仕上げています。
ヌバック、スエードに続き、紛らわしい仕上げばかりの紹介になってしまいました(汗)
まあ、ベロアはヌバックと非常に似ています。これも一見すると違いが分かりません(もはや投げやり 笑)
ただし、ベロア加工した革の場合、元の革はより厚めになりますね。
既にレザーアイテムとして革を薄く漉(す)いてしまっている場合、違いを見分ける方法があるか定かではありません。
というか、ここまでいくと違いを見分ける必要があるのかも分からなくなりますね(笑)
エナメル|テカテカのコーティング革でワンポイントに
革の銀面(革の表面)をサンドペーパーでこすり、さらにその表面に厚く透明なポリウレタン樹脂をコーティングする仕上げ。
テカテカの仕上がりで女性用の靴で頻繁に見かけますね。足元がとにかくオシャレになります。
パテントレザーとも言われ、耐水性もバツグン。汚れも落としやすいですね。
革本来の控えめなツヤ感が欲しい場合は「グレージング加工」、コーティングした明らかなツヤ感を主張したい場合は「エナメル加工」で間違いないでしょう。
ガラス|フォーマルな革で決めたい
革の銀面(革の表面)をサンドペーパーでこすり、汚れやキズのみを除去(銀磨り ぎんずり)したあと、塗装した仕上げ。
銀磨りしているため、表面から革本来の毛穴模様が消え、光沢感のある滑らかな仕上がりになっています。
質の良い革を必要としないため、価格もリーズナブル。
雰囲気は思いっきりフォーマルのため、ビジネスシューズや学生靴に使用されがちですね。
型押し|タフな日常にコスパが良い革を
革にプレス機械で加熱・加圧し、多様な型が付けられる仕上げ。
シュリンクレザーのようなシボ感、ワニ革のようなウロコ感など、本物そっくりに仕上げられる凄い技術ですね。
絶対一目で見分けられません。
それでも、「おれは見分けるぜ!」という方は、革の感触をチェックしてみてください!
熱と強い圧力を加えて革を変形させている分、かための仕上がりになっています。
さらに、もとの革にキズが多い場合、キズを隠すように型押し加工が可能。また、型押し加工した革はキズが目立ちにくくなります。
もはや日常使いに万能の仕上げ方法。いろんな革製品に使用されているので、意識して観察すれば、街中でたくさん見かけますよ。
【まとめ】革で選ぶなら五感が大切
以上、本記事では主なレザーの仕上げ方法についてまとめました。なかなか種類が多くてびっくりした方もいるでしょう。
そして最後に一点補足です。
レザーは、
革のチェックポイント
- 色合い(視覚)
- 擦れる音(聴覚)
- なめし剤などの匂い(嗅覚)
- 肌触り(触覚)
これらの五感(厳密には四感ですが、、)で全く好みが分かれるものです。
なので、色んなレザーアイテムを試しながら、自分の好みを追求していくのも楽しいでしょう。
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(革の動物による特徴の違いは他の記事で書いているので、気になる方は見てください!↓)
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