本記事ではレザーソムリエの私(財布のJG)が、エキゾチックレザーに関してどこよりも一歩わかりやすく、かつ少しでも為になる情報を届けられるように解説しました!
【はじめに】エキゾチックレザーとは
一般的にレザーといえば、牛革、豚革、馬革などを想像する人がほとんどでしょう。
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しかし、こういったノーマルなレザー以外にもエキセントリック(風変わり)なレザーが存在します。
それが、ワニやダチョウといった希少動物の革です。
お金持ちのマダムがワニ革のバッグを持っているのを見かけたことがある!という方もいるのではないでしょうか?
「エキゾチックレザー」と呼ばれるこれらの革ですが、希少価値が高い分、お値段も高め。
しかし、独特の美しい模様と高い耐久性から、熱烈な支持者が多くいます。
エキゾチック(Exotic)の意味
ちなみに、辞書で「エキゾチック」の意味を調べると、
エキゾチックの意味
- 異国の情緒や雰囲気のあるさま。
- 風変わりで、奇妙であるさま。
と出てきます。その見た目から、これらの意味の通りの革ですよね。
エキゾチックレザーは生物感が強いインパクトを視覚に訴えかけます。
見てしまったら逆らえません。
正直に申し上げると、私はどちらかといえばまだエキゾチックレザーの良さに気がつけていません・・・
(これを見て不快に感じる方がいましたら、深くお詫び申し上げます。泣)
エキゾチックレザーをご紹介
ですが!それでも私は財布界に身を捧げている一人のメンズであります!
今は若さや未熟さゆえにその良さが分からなくても、今後は理解できる可能性があります。
そんな私の未来のため、何より、エキゾチックレザーがどんなものか知りたい読者様のため、しっかりと本記事にまとめました!
エキゾチックレザーの中でも特徴が際立つ、ワニ、オーストリッチ、ヘビ、サメ、エイを解説します。
ワニ革
エキゾチックレザーといえば、代表的なのが「ワニ革」でしょう。そのウロコ感の強い主張を目にすると、脳にその残像が刻まれます。
実際にさわったことがあるという方は少ないかもしれませんが、実は強度も高く、丈夫で軽量。
一匹分のワニ革で10万円の値は普通で、名実ともにエキゾチックレザーの代表的な存在といえますね!
このワニ革のワニといえば、基本は養殖。
育てるために7~8年ほどかかります。この手間暇だとお値段が高くなる理由も頷けます。
そして一般的にレザーといえ面積ds(デシ: 10cm×10cm)単位で売買します。
ワニ革も面積で売買しますが、単位はセンチ(cm)で計算することが多いようですね。
小さくて希少な分、より細かな計算がされるのでしょう。
種類が豊富なワニ革
それに、ひとえに「ワニ革」といってもその奥は深いもの。
ワニ革の種類にも「クロコダイル」、「アリゲーター」、「カイマン」といった複数のワニがいます。
エルメスなどの高級ブランドでは一番質が良いとされるスモールクロコ(イリエワニ)が使用されているそうです。(当然、私は持っていませんが・・・笑)
理由はウロコ模様。このウロコ模様が細かければ細かいほど良いのです。
特にスモールクロコはこの細かさがバツグンのようですね!
エルメスのバッグでワニ革ぽかったら、ボソッと「スモールクロコか・・・」といえば、通に見えるかもしれません。笑
オーストリッチ革
エキゾチックレザーとしてワニ革と双璧をなす人気が「オーストリッチ(ダチョウ)革」ではないでしょうか。
羽を抜いたあとに残る表面の突起模様(クイルマーク)がオシャレで特徴的。
牛革とおなじで、革は面積ds(デシ: 10cm×10cm)単位で売買されています。ダチョウ革は1デシで500円程度。
小さいバッグを作るサイズの150デシで75,000円にもなります。お値段高っ!って感じですよね・・・(汗)
じつはクイルマークが取れるのは一羽の皮全体の中の40%ほどで、非常に貴重のようです。
そしてこのクイルマークが多ければ多いほど質が高いと評価されます。
ポイント
ワニ革はウロコの数が細かいほど良いとされることを考えると、エキゾチックレザーの場合、「模様が細かいほど良い」と覚えておくと良さそうですね。
とはいえ、私たち日本人からすれば、ダチョウは動物園かドンキーコングで見かけるぐらいのイメージでしょう・・・笑
この想像がつきにくいダチョウの革の特徴ですが、牛革より柔らかい肌触り、鳥類ならではの軽量感、そしてバツグンの強度が魅力のようです。
使い込むほど味がでる「経年変化」が楽しめるのも人気の理由。
実用性とデザインの両方で飛び抜けたクオリティの革であることがわかりますね。
ヘビ革
次にご紹介するのが「ヘビ革」。
生きているヘビの写真なんかをみると、皮は「ヌメッ」としているように見えます。
が、実はドライで模様も美しく、実用性も高かったりします。
ヘビ革の特徴として、爬虫類ならではの軽さと強度が売りの革になります。が、ワニと比べて薄い分、耐久性がやや劣ります。
使用されるヘビとして、アミメニシキヘビ(ダイヤモンドパイソン)、ビルマニシキヘビ(モラレスパイソン)、ヒイロニシキヘビ(レッドパイソン)などの大型のものが中心です。
これは大きい方が加工も簡単だからでしょう。とはいえ、大きいアミメニシキヘビは10メートルを超えます!捕獲も楽じゃなさそうですよね・・・(汗)
逃走したヘビ
ちなみに2021年に神奈川県の住宅で大型のヘビが脱走した事件がありましたが、あれもアミメニシキヘビになります。
最後に価格帯ですが、ヘビ革は1meter×1meterでだいたい8000円ぐらいと言われています。
なので、数万円あれば質の良いヘビ革の財布が手に入りますよ!
サメ革
やはり、エキゾチックレザー。ここまでご紹介しただけでも非常に濃い内容が続いていますね・・・(汗)
そこでエキゾチックレザー初心者にイチオシの「サメ革」を解説します。
まず、ほかのエキゾチックレザーと比べ、サメ革は落ち着いた凹凸模様になります。
悪くいえば地味ですが、なじみやすさはダントツですね。
(その馴染みやすさから、実はわたしもサメ革の財布は所持しています!)
サメ革の価格はお手頃なのもポイント(1ds(デシ: 10cm×10cm):200円)。他のレザーと違い、水に強く、しなやかで丈夫です。
さらにサメ革に使用されるヨシキリザメですが、宮城県気仙沼港が水揚げ場として有名。国産のサメ革が手に入るのも親しみやすいですよね。
このように、サメ革はデザイン・値段・お手入れ、全てに隙がありません。
エキゾチックレザーに悩んだら、まずはサメ革を試してみるのもアリだと思いますね。
エイ革
エキゾチックレザーとして最後に紹介するのが、「エイ革」(通称:ガルーシャ)。(1枚8000円ほど)
ビーズのような粒状の模様が特徴的な革です。この粒々はリン酸カルシウムからできており、人間の骨や歯と同じ成分。
そのため非常に硬いです。というより、最も硬い革になります。劣化もしにくいため、取り扱いも超簡単で長持ち。
一匹のエイ革から一つしか取れない白い斑点模様も人気で、「小さな白い真珠」や「スターマーク」と呼ばれたりしますね。
はっきり言って良いことづくめのエイ革ですが、最後に懸念点も。
それが、エキゾチックレザーの中でも美しさの賛否が極端に分かれることです。
「気持ち悪い」という意見から、「一番美しい」という意見まで幅広くあります。デザインの好みが完全に割れていますね。
私は結構すきだったりしますが、読者の皆さんはどうでしょうか?
買うときはJRAタグをチェック
ここまでいくつかのエキゾチックレザーを紹介させていただきました。
非常に美しい革ばかりのため、世界中で人気を博しています。
見ているうちに、私も(既にもっているサメ革以外の)エキゾチックレザーの購入に少し前向きになってきました!笑
そしてこの記事を読んで頂いた方の中には、すでにエキゾチックレザーの購入を検討しはじめている方もいるかもしれません。
が、もし高価で人気なエキゾチックレザーを国内で購入する場合、一点だけ頭の片隅に入れておくべきことがあります。
それが、「JRAタグが付属しているか」。
くわしくお話すると、エキゾチックレザーの動物はこれまで乱獲されてきた背景があります。
そこで、1973年に「ワシントン条約」なるものが誕生しました。これは乱獲で絶滅寸前にある野生動物を保護する目的で定められた規制になります。
そしてJRAタグは、ワシントン条約に基づき、国内へ正しく輸入された皮革製品であることを保証する証明になります。
JRA: Japan Reptile Leather Industries Association, 全日本爬虫類皮革産業協同組合
アウトローな連中が密輸してきた皮革製品はたしかに安いかもしれません。
が、それは動物の種そのものの存続を危機におとしいれかねません。
購入するときは、ぜひ「JRAタグ」を確認したいところですね!
【まとめ】エキゾチックレザーは感性を確認する最高のアイテム
以上、本記事ではゴージャスなエキゾチックレザーを解説しました。
私も最初は決して得意ではないエキゾチックレザーでした。
が、この記事を書くために実際に見に行き、そして調べる中、その魅力に少しずつ惹かれていったように感じます。
また、エキゾチックレザーには言葉で表現できない感覚的な相性があるような気がしましたね。
少し詳しく言うと「何を美しいと感じるか」、これは人によって異なる部分があります。
エキゾチックレザーの場合、ハマる模様があったとき、何物にも変えられない購入欲がわいてくるように感じました。
動物の美しさが「そのまま」表現されているエキゾチックレザーだからこその引力ですね。
私もまだまだエキゾチックレザーたるものを勉強していこうと思います!
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